WIND PROMOTION STAGE

『我、堕ちて 修羅と君が世 淫雨 されど紫雲英よ 万象の頃』
（われ、おちて しゅらときみがよ みだらあめ されどげんげよ ばんしょうのころ）

私とあなたは出逢いましたが、この代は争いの止まぬ世界
血の雨が降り続く中愛し合ったところで、一体何になるのでしょうか
それでも野に咲く蓮華はあなたのようで
いつの日だったか、青空の下で過ごした春の日を想い出します

惨劇の血雨が降りそそぐ修羅の世界に堕とされた聖（ひじり）は
殺され死んでも幾度となく蘇る修羅の世界、その世界で唯一、楽になれる方法とは
魂が満たされた時なのだが、殺意と憎悪の争いの中、いつまでも満たされる事無く
聖は永遠とも言える戦いに苦しんでいた

その戦いの中、修羅に追われる女性を助ける事になった聖
その女性は、家柄の宿命から遊郭で働く遊女、天命（あめのみこと）だった

助けた時に受けた傷を癒すため、天命の遊郭で体を休める聖

天命からただよう懐かしい香りに心を許す聖、そのまま二人は身を重ねようとした時
聖は告げる、自分自身が女の体で生まれて来た事を・・・
天命は聖に言う「男女の行為は心でするものです、わたしを抱いてください」と・・・

生まれ持った宿命を包み込んでくれた天命に身を寄せる聖
その時、二人の仲を切り裂くように現れたのは、聖の宿敵 紅蓮（ぐれん）であった

紅蓮はその力と金に物をいわせ、天命を激しく抱き、それだけでは飽き足らず
女の体であると分かった聖をも強引に犯し、紅蓮は去っていく
身も心も粉々に打ち砕かれた聖に追い打ちをかけるように天命は告げる
天命のお腹に紅蓮の子供を宿している事を・・・

それを知った聖の心は激しい殺意の炎が宿り、自らをさらなる修羅へと堕とし
自らの宿命をも恨む憎悪の振動は、自らが創り上げていた世界を打ち砕く
聖は天命を連れ、外へと飛び出していった

見受金も払わずに遊女を連れ出した聖は、追われの身となり
北へと逃げる途中 天命は産気づき、新たな生命を産み落とす
しかし、その子供は紅蓮の遺伝子を継いだ、全身に刃を生やしており
その刃の子供を産み落とす激痛で天命は絶命したが、その死に顔は
笑顔で満ちており、魂が満たされた天命は成仏した
聖は父親としての義務を全うするため、刃（やいば）と二人で北へ向かう

北の山岳にある村で出逢ったのでは、修羅界で唯一平和な村で生活する
嵐（らん）という女性だった、刃と似た境遇で育った二人は互いに引かれ始める
そこへ紅蓮が強奪に現れる

女性の身体に生まれながらも、男の心を持つ聖（ひじり）は、
宿敵の紅蓮（ぐれん）に愛する女性を取られるものかと、
遊女である天命（あめのみこと）を連れ出し、追われの身となる。
しかし、紅蓮の子を身ごもっていた天命は、子を産み落とした激痛で絶命する。

その時に生まれたのが刃（やいば）であった。

聖（ひじり）と、義理の息子である刃（やいば）は安住を求めて北を目指す。

谷間で追っ手との戦闘中に足を滑らし崖を落ちた先にあったのは、修羅界で唯一争いの無い村だった。
その村で出会った嵐（らん）という娘は、偶然にも刃（やいば）と同じ年頃、
同じ境遇で生まれ育っており、二人は恋仲となる。

聖は崖を落ちた時の衝撃で、お腹に水が溜まっていたため、その村で身を休める事となるが、
そこへ村を襲いに紅蓮（ぐれん）がやってくる。

紅蓮の目的は嵐（らん）であった。

聖と嵐を守るため、刃は一人、紅蓮と戦う。
紅蓮の鋼鉄の体を引き裂き、優勢となった刃だったが、
紅蓮は様々な術を体得した鬼。
その手から発する地獄の業火によって刃は倒れ、
無常にもその目の前で、嵐は犯されてしまう。

紅蓮の無法を誰にも止められずにいる中、聖は陣痛による叫び声をあげる。
水が溜まっていると思われたそのお腹は、妊娠によるものだった
遊郭で紅蓮との戦に敗れた時、聖のその身が女である事を知った紅蓮に犯された時に身籠っていたのだ。

叫びと共に生まれたのは、炎の化身 烈火（れっか）であった

鬼の遺伝子を引き継ぐ烈火の炎は、紅蓮を凌駕し、あと一歩で紅蓮を焼き尽くすと思われた時、聖のお腹からもう一人の子が生まれた。烈火の双子の妹 吹雪（ふぶき）である
吹雪は紅蓮に付く事を選び、烈火の炎すらも吹き消す極寒の風により、紅蓮を助けたのだ。

紅蓮は撤退し、吹雪もそれに付いていった

紅蓮との激しい戦いによって廃村と化した嵐の村。

途方にくれる中、仙界に住む華佗仙人（かだせんにん）の助言によって、
成仏した死者を生き返らせる術、反魂の術の秘密を聞く。

聖（ひじり）は天命（あめのみこと）を、嵐（らん）は村人達を生き返らせるため
希望を胸に仙界へと向かうが、皮肉にも紅蓮も反魂の術を得ようと画策していた。

聖は、成仏した死者を生き返らせる『反魂の術』を体得した光の化身、弥勒（みろく）を仲間にしたが、
紅蓮は、亡者を死体のまま蘇らせる『裏・反魂の術』を体得した闇の化身、閻魔（えんま）を従わせた。

始まりは一人の女性をめぐる争いが、いつのまにか一族同士の争いへと発展した。
聖は予感する、この争いは一族を超えて、国同士の争いになるであろうと・・・